室温より大切なもの 〜自身の体温調節機能〜
寝る時間でも熱がこもる

就寝時の部屋の温度は大切ですが、それより大切なことは自身の体温調節です。この調節がうまく機能していないと、不眠が起きやすくなります。それでなくても、夏は外気温が高くて身体内部の熱を逃がしにくくなっています。就寝前に体内の熱ごもりを取り除いて体温を下げておかないと寝つきにくいです。

体温は…上がって下がる

人の体温は明け方に最も低く、日中にかけて徐々に上がり夕方から夜の入りにかけて最高となり、夜間に次第に下がるリズムになっていて、体温が下がり始める頃に眠気が出始めます。そのような身体の生体リズムに欠かせない働きをしているのが自律神経です。しかし、夏は自律神経を乱しやすい季節です。高温多湿に体を適応させるのが大変で、さらにエアコンによって屋外と屋内の気温差が激しくなります。そうした状況では、周りの気温に身体を適応させる働きをする自律神経に負担がかかってしまうのです。

ポイントは自律神経

自律神経がうまく働かなくなると、自律神経系が支配している体内のさまざまな臓器に不調が発生します。胃腸の不調、食欲不振、抑うつなど、さまざまな症状が起こるのです。そして一番の問題は生体リズムがおかしくなることです。通常であれば、太陽光を感知した時から約14時間後に体を休めるホルモンが分泌されて眠くなりますが、そうした日常のリズムがおかしくなり、不眠になりやすくなります。

掛け布団に注意

おかしくなりやすい自律神経に負担をかけないために、気をつけたいのが掛け布団です。夜でも暑いからといって、お腹あたりだけにうすいケットを掛けているだけだと、快眠の観点から言うと逆効果になる可能性があります。タオルケットから手足を出して冷やしてしまうと末梢神経が収縮して、身体の外に放熱しにくくなり、深部体温が下がりづらくなって寝つきや熟睡の妨げになります。手足を布団に入れても暑くない室温がベストなのです。

    

マガジン表紙へ