夜の快眠のために浴びるべきは…朝の太陽光
生体リズム

睡眠をきちんと取るためには、すぐに寝つけることも大切な要素です。早く寝つくための対策を考えるのは夜になってからでは遅すぎます。朝をどのように過ごすかが、夜の睡眠にとても影響します。私たちの身体には生体リズムと呼ばれる、時間や自然の変化に適応する仕組みが組み込まれているからです。

ぴったり24時間…ではない

そのリズムの中でも特に睡眠に関係するものが、概日リズムと呼ばれる約24時間周期のリズムです。といっても、ぴったり24時間ではなく、±5時間の幅があります。ぴったり24時間でないのは、季節によって昼間の時間が変わるので、それに対応できるためと考えられています。そのため、そのままにしておくとリズムがずれていき、数日から数十日で昼夜が逆のリズムになってしまう可能性もあり、このずれを毎日調整する必要があります。

太陽光を浴びると

この調整のために必要とされるのが朝の光です。朝になって太陽の光を浴びることで私たちの体内時計はリセットされて、身体の生体リズムが活動の方向へ向かいます。体内時計は朝起きた直後に目に入る太陽光を判断材料にして、それを感知した時から約10時間、人が生活するためにふさわしい状態を保つように、体温や血圧をコントロールしているのです。

16時間経つと

太陽光を感知した時から約14時間後になると、体内時計が脳へ信号を送って、体を休めるホルモンであるメラトニンの分泌を増加させます。その分泌から1~2時間後には眠くなる仕組みになっているのです。それでなくとも今は夏が最も過ごしにくく寝苦しい季節になっています。朝の早めの時間にきちんと光によって目を覚ましていないと、夜になってから強めの眠気が訪れません。起きる時間は眠りにつきたい時間から14~16時間さかのぼった時間を逆算して、その時間に太陽の光を浴びると、ちょうど寝つきたい時に自然に眠くなることができます。

    

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