気持ちよく眠りにつくために -お風呂の活用法―
ぬるめのお湯に

気持ち良く眠りにつくためには、眠る少し前に身体を温めると良いことが分かっています。体温を上げるのに一番手軽な方法が入浴ですが、お風呂に入れば何でもいいわけではありません。38度から40度位のぬるめのお湯が寝つく前の体温上昇にはちょうど良いのです。

副交感神経を優位に

人間の身体は、自律神経の交感神経と副交感神経によって調整されます。交感神経は心臓や筋肉の働きを高めて身体を活動的にする作用があり、副交感神経は血管を拡張したり動悸を鎮めたりするなど、身体をリラックスさせるよう作用します。入浴中に交感神経と副交感神経のどちらが優位に働くかは、お湯の温度に左右されます。38~40度のぬるめのお風呂に入ると副交感神経の働きが高まり、精神的に落ち着いてリラックスできます。

入浴で体温を上げると…

入浴の時間帯や長さを調べたところ、就寝4時間前に約30分浸かるのが一番効果的でした。入浴により体温が0.5~1度上がり、就寝までに徐々に体温が下がる過程で入眠しやすくなります。さらにもう一つ大切なのはお風呂場の温度です。ぬるめのお湯に浸かってもお風呂場が寒いと身体が緊張してリラックスできません。最低でも22度くらいの室温にしましょう。

夜だけでは効果が薄い

夜のお風呂だけでは良い睡眠には不十分で、じつは朝も大切な時間帯です。私たちの体内には自然の変化に適応する仕組みが組み込まれていて、生体リズムと呼ばれます。生体リズムは朝に太陽光を浴びることでリセットされ、活動の方向に向かいます。朝を感知してから約10時間、活動的な状態を保つように体温や血圧をコントロールされます。そして、約14時間後には体内時計が脳に信号を送って体を休めるホルモン分泌を増やし、その1~2時間後に眠くなる仕組み、つまり、就寝時間から14~16時間ほど前に太陽の光を浴びると、夜になる頃には自然に眠気がおとずれるのです。

    

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