不眠と肥満…その恐ろしい相関関係とは?
全く関係なさそうなのに

睡眠不足が健康に良くないことはもちろんですが、その影響は多岐にわたります。例えば、睡眠と全く関係がなさそうなのに密接な関係にあるのが肥満です。睡眠が不足すると肥満になりやすいのです。特に平均睡眠が4時間以下の人は、4時間以上の人より3倍も肥満を自覚する人が多いのです。

睡眠不足で…

実際に米国のある研究によると、平均睡眠時間が4時間以下の人は7時間の人に比べて、73%も肥満になる率が高くなると判明しています。睡眠時間が5時間の人は50%、睡眠時間が6時間の人は23%、肥満になる確率が高くなるそうです。この結果については、いくつか説明が考えられます。まず、人の身体には防衛機能が備わっているので、例えば空腹が続いた場合に身体はできる限りエネルギーを蓄えるように働きます。睡眠不足に関しても、身体は危機的状態と判断してエネルギーを溜め込もうとするのです。

睡眠と肥満の悪循環

睡眠不足によって生体リズムが乱れ、自律神経が不安定になると代謝機能が低下して、脂肪がたまりやすい身体になります。身体は寝ている間に再生されるので、睡眠時間が少ないと老廃物が溜まりやすく、細胞代謝が低下して太りやすくなります。さらに、通常は寝ている間に副交感神経が優位となり、腸のぜんどう運動が活発になります。しかし、睡眠不足だと腸のぜんどう運動が不足して、便秘しやすく痩せにくいという面もあります。

女性の方が太りやすい?

男性よりも女性の方がホルモンによる睡眠への影響が強いので、女性は不眠になりやすい傾向があります。女性ホルモンの影響により、排卵の前には眠気が抑えられて、睡眠時間も減少しやすいからです。ただし、排卵を過ぎると睡眠時間が多くなりやすくなります。ちなみに、男性ホルモンには周期変化がないので、男性には睡眠に大きな周期的な変化がありません。

    

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