「温め」にも「睡眠」にも! 〜お風呂の効用〜
血行が良くなる

先ほど「入浴より湯たんぽの方が長時間温められる」と述べましたが、だからといって入浴が劣っているわけではありません。入浴には単に身体を温める以上に健康に良い側面があります。入浴で全身を温めると、体中を血液が巡って血行が促進されます。湯船に浸かっている時は浮力があるので、血行が促進されやすいのです。

「温かい」と「冷たい」、両方を使うと・・・

「温かい」と「冷たい」をうまく使うと効果的に身体を温められます。40度ほどの湯で15分以上浸かると内臓にまで温かさが行き渡ります。その後に足元に冷水をかけると、身体がその冷たさに対抗して足先に血を行き渡らせようとして血行を促進させます。すると、足元がポカポカになるのです。温かいお湯と冷たい水を自在に使えるお風呂ならではの健康法です。

睡眠にも良い影響

入浴は良い睡眠に関係します。睡眠効果に関する実験で、入浴した時としなかった時で睡眠の質の違いを調べたところ、入浴した方が熟睡の脳波がかなり多く出ることが判明しました。気持ち良く眠りにつくために、眠る少し前に身体を温めると良いことも分かっています。一時的に体温を上げると、脳から体温を下げるように指令が出され、その過程でスムーズに眠りに入ることができるからです。体温を上げるのに一番簡単な方法が入浴なのです。

夜に冷えを感じると・・・

身体の体温変化と健康的な生活との間には深い関連があります。夜には内部体温が下がり副交感神経を優位な状態にして眠りにつきます。一方、朝は交感神経が働きだして日中に体温のピークがきます。ところが夜に冷えを感じると、熱を逃がさないように夜になっても交感神経が優位な状態が続いて、放熱がうまくできずに寝つきにくくなります。昼間に体温を上げて夕方から徐々に体温を下げるという一連の流れがないと、睡眠に支障が出て不健康な生活に陥りやすくなるのです。

    

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