MCI状態であれば回復できるのは、なぜ?
神経細胞が多く残っている

認知症とすぐに診断がつく状態では脳の神経細胞はすでに大きく減少しており、健常レベルにまで回復させる方法は今のところ見つかっていません。MCI(軽度認知障害)が認知症と異なるのは、まだそれほど神経細胞が減少してないという点です。

神経ネットワークをつくり直せる

神経細胞からは軸索(じくさく)と呼ばれる枝のような部位が伸びていて、他の神経細胞と連携する働きをしています。脳内ネットワークをつくる神経細胞の一部が消滅しても、まだ残っている神経細胞が多ければ、軸索が新たな枝を伸ばし、ネットワークをつくり直すことができると考えられています。ですから、MCI状態であれば、回復する可能性がかなりあり、回復が難しかったとしても進行を食い止めることが可能と考えられているのです。

MCI:4つのタイプ

どのような認知機能の障害がみられるかによってMCIは4つに分類され、関連する疾病や認知症タイプをある程度推測できます。1つめが記憶障害のみが目立つタイプで、アルツハイマー病かうつ病が疑われます。2つめは記憶障害が目立つ上に、それ以外の認知機能の低下もあるタイプで、先ほどの2つの病気に加えて、血管性の可能性もあります。3つめは、記憶以外の認知機能のうち1つのみが低下するタイプで、前頭側頭型が当てはまります。そして4つめは、記憶障害は見受けられず、記憶以外の機能で複数の機能低下がみられるタイプで、レビー小体型もしくは血管性が疑われます。

タイプに合わせた対策を

タイプが分かって認知機能の低下原因となっている病気や状態を治せれば、MCIを健常状態に戻せることが期待できます。MCI状態で早くからそのタイプに合った対策を始めれば、認知機能を回復すること、少なくとも維持することを可能にします。特に、脳の血管状態は普段の生活習慣に大きく影響されるので、より早い段階で生活習慣の改善を心がけると、脳の働きを保ちやすくなるのです。

    

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