きちんと知っておこう 「アルツハイマー型」
最初は120年以上前

アルツハイマー型認知症の研究はすでに120年にも及びます。ドイツのアルツハイマー博士が、進行性の記憶障害や見当識障害などの症状を呈した症例を学会で報告したことが始まりでした。脳が委縮し、その神経細胞の周囲に「老人斑」と呼ばれるシミのようなものを発見しました。

アミロイドβとタウタンパク質

シミの原因は、後にアミロイドβというたんぱく質の沈着や、神経原繊維変化と呼ばれるタウタンパク質の異常な蓄積と明らかになります。簡単に言うと、アミロイドβは働きを終えたタンパク質の残された不要部分です。通常は掃除役の細胞によって排除されますが、掃除機能は年齢を重ねると落ちてしまいます。その結果、アミロイドβ同士が凝集して塊となり、ニューロン(神経細胞)にまとわりつきます。まとわりついたアミロイドβは、ニューロンにダメージを与え、最終的には細胞死を引き起こします。

まず海馬に影響

アルツハイマー型で最初にニューロンの死滅が起きるのは海馬です。海馬は記憶のために必須の部位なので、アルツハイマー型ではまず記憶障害が起きます。症状が進行すると、病変は他の部分にも広がります。側頭葉に影響がでると、言葉をうまく発せられなくなります。頭頂葉に広がると、物の位置や方向を把握する空間認識能力に障害が起き、後頭葉の障害では、物や人をみても何なのか判断できないという見当識障害が起きるのです。

進む研究

認知症はいまだ根治的な治療法は見つかっていませんが、病気の解明や新たな治療法の研究がすすめられています。早期診断法の開発も進められており、例えば、脳脊髄液検査によってアミロイドβやタウタンパク質を測定したり、画像診断技術を用いて脳内の病理学的変化を可視化したりして、早期診断の手立ても増えてきています。さらに近年では、より簡便で負担の少ない血液検査によるバイオマーカーの開発が精力的に進められています。

    

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