治療にもなる・悪化原因にもなる -音楽の功罪-
音楽を聴くと

音楽を聴くと、心だけでなく体にも良い影響があることが分かっています。例えば、ジャンルに関係なく、音楽を聴いた後には免疫機能が高まると考えられます。音楽を聴いて副交感神経が刺激されて血管が拡張して血流が良くなり、それによって体温が上がります。そのことによって免疫力が上がるようです。

パーキンソン病にも

今注目されているのは、パーキンソン病の音楽療法です。パーキンソン病はさまざまな動作を繋げるための脳機能に障害が出ることがあり、足がすくむ、転倒しやすくなる等の症状がでます。そのような患者に対して、例えば、音を聞いてリズムを取って動けるように訓練すると、歩幅が広くなり歩きやすくなります。さらに、音楽療法は認知症の症状改善にも有効と考えられており、認知症の症状として起こりうる暴力や抑うつの行動を改善する効果が期待されています。

ヘッドホン難聴

一方、音楽による弊害が社会問題となっています。近年「ヘッドホン難聴」と呼ばれる難聴が急激に増加しています。世界保健機関によると、11億人もの世界の若年層が、携帯型音楽プレーヤーやスマートフォンによる音響性難聴のリスクに晒されています。ヘッドホン(イヤホン)難聴はじわじわと進行し、少しずつ両方の耳の聞こえが悪くなっていくので初期には難聴を自覚しにくいため、耳の違和感に気づいたら早めに受診することが大切です。

大きな音を聞く時間に比例

耳から入った音は、内耳の蝸牛(かぎゅう)という器官にある有毛細胞で電気信号に変換され、脳に伝わることで音として聞こえています。しかし、85デシベル以上の音を聞いていると、その聞いている時間の長さに比例して、有毛細胞が傷つき壊れやすくなります。有毛細胞が壊れると音を感じ取りにくくなり、難聴を引き起こします。80デシベルで1週間当たり40時間以上、98デシベルで1週間当たり75分以上聞き続けると、難聴の危険があるとされています。

    

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