「長年体型が変わらない」のは問題ありかも?
運動習慣がない場合

「年をとっても若い頃から体型が変わらない」ということは、大変良いことに思われがちですが、じつは良くないことかもしれません。特に、運動習慣がないのに若い頃から体型が変わらない人は要注意です。というのも、年齢を重ねていけば、何も対策を取らなければ年とともに筋肉は減っていきます。

皮下脂肪や内臓脂肪は分かりやすい

定期的に運動していないのに体重が変わらないということは、実際は筋肉が減っています。そうはいっても、太ればお腹の下に皮下脂肪がついていることが自分で見て分かりそうですし、もしくは見て分からなくても、健康診断などで「内臓脂肪がついているから注意してください」と指摘される人も多いでしょう。皮下脂肪や内臓脂肪は脂肪がつけば自身や健康診断で気がつける機会がありますが、問題なのは見た目には分からない脂肪です。

筋肉脂肪が…

この見えない脂肪が、筋肉についてしまう「異所性脂肪」です。この脂肪には2種類あり、1つが筋肉組織の外側に付く「筋細胞外脂肪」で、もう1つが筋肉繊維の内部に溜まり、筋肉の脂肪に溶け込んでいく「筋細胞内脂肪」です。どちらの脂肪も、放置すると筋肉の機能を落とす上に筋肉の量も減らします。「筋細胞内脂肪」は持久力を発揮する遅筋につきやすく、主に有酸素運動のエネルギーとして使用されるので、運動習慣があれば、たとえ筋細胞内脂肪が増えてもすぐに消費されて健康を害するリスクは低くなります。

筋肉が減って、脂肪が増えている

しかし、運動せずに増える筋細胞内脂肪に気がつかずに放置していると、筋肉による糖の取り込み能力が低下して、糖尿病になるリスクを上げるなどの弊害がでます。筋肉につく脂肪は見た目で分かりにくいですが、運動もせずに何十年も同じ体型でいるという事実こそが、筋肉と脂肪の内訳が変わっている可能性が高く、筋力が低下するサルコペニアのリスクを上げている可能性があることを心得ておきましょう。

    

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