脂肪の控えすぎに注意しよう −脳と免疫力−
脳の60%は脂質

脂質は体を正常に保つためにさまざまな部位で活用されます。特に脳は、水分を除くと、約60%が脂質でできているため、脳機能の維持や認知症予防のために脂質の摂取は重要です。脂質の摂りすぎは良くありませんが、脂質の不足は脳を含め全身に悪影響を及ぼし、より良くないことと言えます。

うつ病予防には

高齢者は、性ホルモンの減少や脳の萎縮など、加齢のために起こるさまざまな身体の変化が、うつ病を引き寄せるきっかけになります。心の病は若い世代に多いと思われがちですが、約1千万人の心療系患者の3割は65才以上の高齢者であり、高齢者の約5%がうつ病との報告もあります。老人性うつ病を予防するために有効なのが「肉をたくさん食べること」です。肉には、脳の神経伝達物質セロトニンの材料となる必須アミノ酸のトリプトファンが豊富に含まれているからです。

コレステロール値のとらえ方

中年期の健康診断でコレステロール値が高いと、血管が動脈硬化を起こしやすくなる等、高コレステロール値は健康に良くないこととして医師から指導を受けたでしょう。しかし高齢になると、血液中に含まれるコレステロール値(総コレステロール値)は、少ないより多い方が良いという評価になります。実際はそうなのですが、中年期に指導を受けた人は、高齢になってもその意識から抜けられず、必要以上に脂質を減らす人がいるのが問題です。

タンパク質を活かすために

筋肉量を維持するためには、肉や魚、乳製品などの動物性たんぱく質が必要です。ただし、タンパク質だけを摂っていれば良いわけではありません。糖質や脂質と一緒に摂らなければ、タンパク質は筋肉などの材料にはならないのです。そして、水に溶けない性質をもつ脂溶性ビタミンは脂質と一緒に摂取すると吸収されやすくなります。脂溶性ビタミンは免疫力の強化に必要なものが多いので、脂質と一緒にしっかり摂りましょう。

    

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