種類によって大きな違い 〜3種の体脂肪〜
「皮下脂肪」は…あり

高齢者は筋肉も脂肪もついた小太りが長生きすると言われますが、増やしてはいけない体脂肪もあります。皮膚のすぐ下につく「皮下脂肪」は高齢者にはある方が良いとされる体脂肪です。もちろん脂肪だけでなく、筋肉量も適度にあることが必要です。

「内臓脂肪」は良くない

「内臓脂肪」は小腸を包み支えている薄い膜などにつく脂肪で、何才になっても減らすべきものです。内臓脂肪は増えすぎると、お腹がポッコリ出ていても指でつまめないのが特徴です。内臓脂肪は内臓のすぐ近くに溜まって、増えすぎると糖尿病、高血圧、動脈硬化、ガンなどの病気を引き起こす悪玉脂肪です。さらには、認知症の発症リスクを高めることも分かっています。

落としやすい脂肪

内臓脂肪には「つきやすく落ちやすい」という特徴があり、落とすコツは「食事をおかずから食べる」「よく噛んでゆっくり食べる」「運動習慣を使って筋肉を増やす」等です。日本人は皮下脂肪より内臓脂肪がつきやすく、過剰な血糖を皮下脂肪としてため込む性質をもつ血糖値調整ホルモンのインスリン分泌量が少ないので、余った中性脂肪が内臓脂肪になりやすいからです。体脂肪の素となる中性脂肪は、早ければ3日目から減り始めます。上記のコツはすぐできることなので、無理ない範囲ですぐ取り組みましょう。

最も注意!「異所性脂肪」

最も気をつけるべき脂肪が「異所性脂肪」です。他の2つに比べて後から分かってきたもので、臓器や筋肉の細胞に直接ついてしまう脂肪です。脂肪肝という言葉は良く知られていますが、こうしたものが異所性細胞の1つの例です。心臓、肝臓、腎臓などの臓器につけばその臓器の機能を落とし筋肉につけば代謝を下げて痩せにくくさせます。他の体脂肪と違って外見に現れづらく、痩せているからといって安心できるものではありません。隠れ脂肪とも呼ばれ、体型に大きな変化をもたらさないまま増え続け、気がついた時には健康に悪影響を及ぼしているケースが多くあります。

    

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