免疫力を弱める -夏の冷えと紫外線-
最後は免疫力

手洗いなどの対策も感染症から身を守るために必要ですが、感染症対策として最終的に大切なのは免疫力です。同じ状況におかれても、感染症にかかる人とかからない人がいるのは、個人の免疫力の強さの違いが大きいです。そして、免疫力つまりウイルスへ対抗する力を削ぐものとして、気をつけたいのが体の冷えです。

エアコンによる冷え

冬は気温そのものが低いので自然と冷えを気にかけますが、気温が高く暑い夏はそうしたことを全く気にしない人も多いでしょう。しかし、夏はクーラーのつけっぱなし等によって、実は身体が冷えていることが多いです。体温が0.5度下がると免疫力は30%以上も低下するという研究結果もあるほど、体温が下がると免疫力は低下するのです。

胃腸が冷えがち

冷えをケアするためには胃腸に気を配ることが必要です。思っている以上に胃腸は冷えに弱いのです。身体が冷えて胃腸の働きが悪くなると、代謝が悪くなり消化不良や便秘、胃もたれ、食欲不振等を引き起こします。夏は冷たいものをつい飲みがちですが、できるだけ常温か温かいものを飲みましょう。腸は食べ物を消化するためだけの器官ではなく、身体全体の健康に影響しています。腸の内部に膨大な数の細菌がいて、全身の免疫細胞の70%は腸に存在しているので、腸は体全体の免疫に大きく関わっているのです。

紫外線にも注意

夏に免疫力を弱らせる要素は他にもあります。夏に強くなる紫外線はじつは免役力に影響しています。10分ほどの紫外線量で免疫力を衰えさせてしまうのです。もともと人の皮膚には、細菌やウイルス等の侵入を防ぐ免疫機能が備わっています。外部からの異物を捕らえる細胞が網の目のようになっています。ところが、皮膚にある免疫細胞は紫外線に弱く、日焼けした後は2週間ほど免疫細胞が活動できなくなり、その間に細菌やウイルス等が入りこみやすくなるのです。

    

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