より大切なのは寝る前と寝起き ー歯磨きー
歯磨きの理由

歯を磨く必要があるのは、まずもちろん食事をした後です。ただし食後だけで充分に事足りているかといえば、そうではありません。歯磨きをするのは「食後の食べカスを取るため」と思っている人も多いでしょう。しかし、歯磨きの本来の目的は歯垢(プラーク)を取り除くことです。

唾液の役割

食後に歯磨きをすることで、ムシ歯をつくる細菌が多量に含まれている歯垢(プラーク)と、食後に口中に残留している糖質を、早く取り除くことは大切で、食後の歯磨きが必要です。しかし、歯磨きと同じくらいプラーク予防に大切なのが「唾液」です。もともとは中性に保たれている口の中は、食事などで酸性に傾くとムシ歯ができやすくなります。しかし、唾液がきちんと分泌されている状態であれば、唾液の成分が酸を中和して、自然に歯を修復してくれてムシ歯予防につながります。

寝ている間は分泌されない

歯垢が一番できやすいのは、じつは就寝中です。寝ている間は唾液がほとんど分泌されずに、細菌が爆発的に増殖するからです。ですから、最も歯磨きを必要とする時間帯、効果的なプラークコントロールの時間帯は、「夜寝る直前」と「起床後すぐ」です。食べた後にさえ磨いておけば大丈夫ではありません。しかも最近は、唾液の分泌量が減っている人が増えています。

ドライマウスは要注意

いわゆるドライマウスと呼ばれる状態ですが、ストレスなどで起こりやすいと言われます。対策としてはストレスを軽減させることが必要ですが、なかなかそうもいかないでしょう。その場合は、唾液をより多く出すために、唾液腺のマッサージが効果的です。アゴの下や耳の下には唾液腺があり、そこをマッサージすると唾液が出やすくなります。他に、梅干しやレモンなど酸味のある食べ物は唾液の分泌を促進する効果があります。また、食事の際に食べ物をよく噛むことも大切です。

    

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