寝ることが絶対良い!…とは限らない
週末の寝だめはダメ

睡眠は体にとって重要なことで、寝れば寝るほど体に良さそうですが、必ずしもそうとは言えません。例えば、週末の寝だめは良くありません。平日に睡眠時間が足りず、いわゆる睡眠負債が溜まっている状態を、休日にたくさん寝ることで解消しても、それは逆効果になるリスクが高いです。

高齢者だと…

寝だめをすると平日と休日の生活リズムに違いが出すぎてしまいます。かえって入眠しにくくなったり疲労を感じやすくなったりする上、生活時間の不規則によって肥満になりやすいリスクも報告されています。さらに高齢者にいたっては、休日の寝だめだけでなく、毎日の生活で寝すぎることも健康を損なうリスクが指摘されています。睡眠時間と認知症リスクとの相関関係を調べた結果、一番リスクが低いのが平均睡眠5〜7時間の人たちで、平均して10時間以上寝ている人は、認知症リスクが2倍以上だったのです。

昼寝は諸刃の剣

昼寝も最近は「パワーナップ」と呼ばれ、昼間の仮眠は眠気を取ると同時に、認知能力や注意力を向上させることが分かっています。企業等でもそれに取り組む会社が増えています。しかし、こうした昼寝の研究が進むにつれて、昼寝の適正時間についても色々と明らかとなり、昼寝時間が長すぎると健康を脅かすことがあるとの結果がでています。

長くても30分

昼寝を全くしない人と比べて、1日の昼寝時間が30分ほどならば、心筋梗塞や心不全など心血管疾患リスクが低下しました。しかし、昼寝時間が45分を超えると、昼寝をしない時よりもリスクが高まりました。同様な傾向は認知症にも当てはまり、1時間以上の昼寝の習慣がある人は、昼寝習慣の無い人よりも認知症の発症率が約2倍だったのです。ちなみに、30分以内の昼寝であれば、昼寝習慣の無い人に比べてリスクは6分の1と激減します。昼寝は長くても30分まで、ということを肝に銘じておきましょう。

    

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