長時間のデジタル使用…脳疲労を溜めがち
体への疲労

PCでの作業が多いと、椅子に座りっぱなしの状態が長く続き、筋肉が緊張して血流が悪くなりコリや痛みの原因になります。特に、モニターの位置が低い位置にあると問題で、背中が丸まって首が前に出る姿勢になっています。

「脳疲労」

そのような状態で首に負担をかけ続けると、まず首や肩がすぐにこるようになり、症状が悪化すると首や肩以外にも悪影響がでます。緊張性の頭痛やめまい、吐き気などを感じたり、手や腕のしびれといった症状がでたりします。しかし、そうした体のこりや疲労よりも怖いのは脳疲労です。脳疲労とは脳の処理能力が落ちた状態をさします。脳疲労というと、脳全体を酷使して疲れていると考えがちですが、実はそうではありません。

使うところは限定的

脳の司令塔的存在である前頭前野(ぜんとうぜんや)で情報処理をする場合、脳の役割は3つに分担されます。記憶を一時保管するワーキングメモリを行なう部分、指令本部のように深く考える部分、ボーッとしている時に働く部分です。デジタル機器による脳疲労は、ワーキングメモリを行なう部分だけが酷使され、その他の部分は使われずにさびついていく状態です。パソコンやスマホを使えば、固有名詞が思い出せなくても検索でき、覚えることも写真を撮れば済むし、地図が読めなくてもGPSがあります。しかし、情報を覚えたり思い出したり深く考えたりというような、本来は自分の脳がやるべきことをする機会が奪われているのです。

使わない時間も必要

こうした生活を長く続けていると、物忘れや記憶力の低下、思考力や集中力、コミュニケーション力の低下などの症状があらわれます。放っておくと、さらに深刻な症状、例えばうつ病を発症することにもなりかねません。仕事で長時間のPCの使用、プライベートもずっとスマホを使うという人は、意識的にデジタル機器を使わない時間を作る必要があるでしょう。

    

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