高齢者にも子どもにも役立つ「折り紙のすごさ」
認知症に対する予防効果

デジタル時代においては、逆に、昔ながらのものがより良い影響を与えてくれるということも分かってきています。例えば、折り紙です。日本文化としても大切にしていきたいものですが、高齢者にとっては認知症に対する予防効果が期待できるものなのです。指先を使う折り紙は脳に良い影響を与えます。

作業のほとんどに健康効果

手先を使って細かい作業をすることで、刺激を受けて脳が活性化され、結果として認知症の予防効果が期待されます。実際に、脳梗塞などの後遺症に対してのリハビリにも使われています。また、折る時はどのような形になるのかを想像して折っていきます。つまり、考えたり思考したりすることで、認知機能を低下させない有効手段になっています。さらに、作り終わった作品を見てその出来具合を確認することで、少し前の時間の出来事を振り返り、それが記憶力の低下防止につながります。

高齢者にも子どもにも

折り紙を高齢者の認知症予防の対策に使うための大きな利点として、折り紙が身近な品であることです。高齢者にとっては、昔子どもの頃に誰もが経験したものであって馴染みやすいものであるため、やってみようと思いやすいのです。高齢者への対策となる一方、折り紙は子どもへの知育としても期待されています。指先を使うことによって脳が刺激されて活性化するだけでなく、指先を器用に使えるようにもなります。

空間認知にも集中力にも

折り紙は平面なものを立体に仕上げていくので、折る過程で空間のイメージを立体的に再現する、いわゆる空間認知能力が上がりやすくなります。さらに、作品を完成させるためには、最後まで集中的に折り続ける必要がある上に、端と端を丁寧に合わせるなど細かい手の作業が連続して必要になります。そうしたことには頭にも手にも集中力が必要となる作業で、折り紙を折ることで持続的な集中力を鍛えなおすことができるのです。

    

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