良いことのはずなのに ー薬・減塩・早期発見ー
血糖値を下げすぎると

血糖値が高い状態が続くと糖尿病となり、その合併症で失明したり腎機能が悪化して透析をしたりする必要が出てきます。ですから血糖値を抑える薬を服用することは悪いことではありません。しかし、薬によって血糖値を下げすぎると、こんどは低血糖の問題が出てきます。

「どうしたいのか」が重要

血糖値の下げすぎは寿命を縮めるリスクが上がるとの調査もあります。服用する薬にどのくらいの効果とどのような副作用があるかを知ることは大切で、それを医師や薬剤師に確認することも必要です。そして、それ以上に大切なのは「自分がどうしたいか」です。寿命に対するリスクが少しあっても好きなことをして生きたいのか、色々な薬を飲んでリスクを少しでも減らして長生きしたいのか…薬の服用を始める前に考えておくことが大切です。

減塩の効果は疑問

生活習慣病対策として、以前から減塩の大切さが言われています。そのことで、高血圧と診断されていないにもかかわらず、減塩に気を使う人も多いでしょう。しかし、ある調査によれば、元の血圧が高くなければ塩分を減らしても意味がないようです。高血圧と診断された人が減塩すると7mmHg血圧が下がるという結果でしたが、血圧は常に上下するもので、続けて計った時でも5〜10くらい差が出るので、7mmは誤差の範囲とも言えます。

早ければ良いわけではない

だれでも加齢とともに脳が変性していきます。多くの認知症は病気というより、白髪やシワと同じようないわば老化現象です。認知症は早期発見できれば進行を止められる可能性があるため、なるべく早期発見した方が良いと言われています。しかし、人は必ずしも理性的に判断できるわけではありません。認知症を早期発見してしまうと大抵の人はショックを受け、家族もなるべく家から出さないようにさせがちです。元気に暮らすには、初期段階で認知症と診断を突き付けられない方が良いケースもあります。

    

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