幸せホルモン「セロトニン」でイライラ解消
「楽しい」で分泌

人は「楽しかった!」という経験をすると、脳の中でセロトニンというホルモンを作り出しています。セロトニンには、怒りや焦りなどのマイナスな感情を抑制し、精神を安定させる効果があります。こういった作用を持つことから、セロトニンは幸せホルモンと呼ばれています。

イライラを抑える

セロトニンはノルアドレナリンの過剰な働きを抑えます。ノルアドレナリンは、ひと言で言うと興奮をつかさどるホルモンで、適度な分泌であればやる気や集中力アップへつながります。しかし、分泌量が多すぎる場合はイライラや怒りっぽい症状が出やすくなります。つまり、セロトニンがノルアドレナリンの過剰分泌を抑えることで、イライラした気持ちを抑えやすくしてくれているのです。

睡眠にも良い影響

セロトニンは睡眠にも影響を与えています。ノルアドレナリンの分泌過剰は、睡眠障害にもつながると言われており、その過剰分泌が抑えられることで快眠につながりやすくなります。さらに、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの生成にセロトニンが必要とされるため、セロトニンは睡眠に対して大きな影響力を持っています。メラトニンは生成されてから約14時間後に眠気をもよおすので、昼間にセロトニン分泌をしっかりすることが大切です。

うつ予防にも

他にも、脳のセロトニンが欠乏することがうつ病の一因と考えられています。実際の医療現場でも、セロトニンを増やす作用を持つ抗うつ剤が使用され、効果を示しています。さらに、パニック障害や不安障害などの疾患もセロトニン不足が要因である可能性が指摘されています。幸せを感じるとセロトニンが分泌され、セロトニンが出ていると精神を安定させ幸福感を得やすくなります。セロトニンは、幸せを得るため、幸せを得た後、双方向の幸せホルモンなのです。

    

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