貧しさの象徴から健康食へ -雑穀を摂ろうー
雑穀は不人気だった

昔は白米がぜいたく品で、多くの人が雑穀を主食として食べていました。そのため、雑穀はいわば貧しさの象徴で、戦後に徐々に国民全体が豊かになるにつれて敬遠する人が多くなったのです。さらに、あまり美味しくなくて手間がかかるというイメージもあります。

ビタミンやミネラルが豊富

現在の主食となっている白米は残念ながらあまり栄養価が高くありません。じつは日本人が主食として見限ってしまった雑穀こそが、栄養価の高い健康食です。現代人に不足しがちなミネラルやビタミン、さらに食物繊維やポリフェノールも豊富で、栄養バランスがとても良いのです。雑穀の主なものとして、アワ・ヒエ・キビ・豆・ソバ・ゴマ・アマランサスなどがあり、最近は赤米や黒米などの古代米も仲間に含まれます。

糖質が少ない

雑穀米と白米の大きな違いは糖質の含有量です。現代における食事の問題点のひとつは糖質の摂りすぎです。糖質を摂りすぎると糖質は脂肪として体内に蓄積されてしまうからです。ハト麦・アマランサス・ソバなどの雑穀類の糖質量は、白米の約3分の1から5分の1ほどしかありません。また糖質が効率よくエネルギーに変換されるにはビタミンB1が不可欠ですが、赤米や黒米などは白米の約5倍もビタミンB1を含んでいます。

最近は手軽に

雑穀は処理に手間がかかると思われがちですが、最近は簡単に使えるものが増えています。自然食品を取り扱う店も増えて、スーパーなどでも販売されるなど、かなり手軽に手に入ります。まずは、雑穀を白米に少量混ぜるところから、取り入れてみましょう。白米と混ぜて炊く時は一度にたくさん炊いて、じっくり蒸らすとモチモチしてふっくらした食感が出せます。食べきれなくて残してしまった時は、密閉容器に入れて保存して、食べる時に蒸し器で蒸し直すとおいしく食べられます。

    

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