音楽を聴くことで起こる意外な健康効果とは?
体温が上がる

音楽鑑賞は文化の1つと言えますが、音楽を聴くことは健康にも良い効果が期待できます。音楽を聴いた後に体温が上がることが実験で確認されています。音楽を聴くと副交感神経が刺激され、それによって血管が拡張して血流が良くなり、身体深部に温かな血液が末端まで早く流れるからです。

免疫力が上がる

体温が上昇すると免疫機能が高まり免疫力が上がります。唾液を採取した成分分析ではIgA値が増加しており、免疫力が上がったことが確認されています。IgAは抗体の一種で、眼・鼻・喉や消化管などの外界と接する粘膜組織で分泌されます。粘膜の表面で病原体や毒素に結合して、それらの機能を無効化することによって私たちの身体を守っているのです。

注目すべき音楽療法

音楽を治療に活かそうという音楽療法はその方法や症例が増えています。注目されているのがパーキンソン病に関するものです。リズムを感じて動作するという機能に関連する脳の機能に障害が出やすいパーキンソン病特有の症状改善に、音楽療法が効果的と考えられます。他に、認知症の症状緩和や改善にも有効とみられています。認知症の症状の一環として起こりうる暴力や抑うつなどの行動を改善する効果がありそうで、情動に働きかけて興奮を静める音楽の効果と関連があるようです。

難聴に注意

音楽による疾病改善の研究がすすむ一方で、人々の難聴の危険性は高まっています。近年ヘッドホン難聴と呼ばれる難聴が急激に増加し、11億人もの世界の若者たち(12〜35歳)が、携帯型音楽プレーヤーやスマートフォンなどによる音響性難聴のリスクにさらされています。ヘッドホン難聴(イヤホン難聴)は、少しずつ両方の耳の聞こえが悪くなっていくため、初期には難聴を自覚しにくいことが特徴です。重症化すると聴力の回復が難しいため、耳の違和感に気づいたら早めに受診することが大切です。

    

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