見えないけど大切な筋肉 ー声帯を鍛えるー
声帯がぴったり閉じていると…

大切な筋肉なのに、衰えても気がつきにくい部位、それが声帯です。喉の奥にある声帯は、息を吸う時に開いて声を出す時に閉じます。吐く息によって声帯が振動することで声が出ますが、この時に声帯がピタッと閉じていると、きれいに振動してハリのある声になります。

声帯が衰えると…

一方、声帯の筋肉が衰えて声帯にたるみが生じると、声を出す時にピタッと閉じずに隙間ができてハリの無いかすれた声になります。また、声帯筋を覆う粘膜層の潤いが低下してハリがなくなるのも、声帯がたるむ原因です。加齢によって声の高低が変わると言われますが、これは声帯の状態が変化するからです。女性は更年期以降、女性ホルモンの分泌量が減ると声帯がむくんで太くなり、声が低くなります。男性は加齢と共に声帯の筋肉が萎縮し硬くなるので、声が高くなる傾向があります。

声以外にも問題が生じる

声帯が良くない状態だと、声以外のことにも問題がでます。声帯がしっかり閉じないと体に力を入れづらくなり、例えばつまずいた時にとっさに踏みとどまれないといった事が起こります。力を入れようと踏ん張る時、人は無意識に息をこらえ(声帯を閉じて)肺をパンパンに張って上体を安定させます。声帯がしっかり閉じないと空気が漏れて力が入りにくいのです。また、声帯は気管の入口にあるため、声帯に隙間があると食べ物や唾液などが気管に入りやすくなり、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクも上がります。

「息こらえトレーニング」

声帯やその周囲の筋肉を鍛えることは大切です。まず、胸の前で手を組んで大きく息を吸います。そして、組んだ両手を左右に引っ張りながら3~5秒間息を止め、その後に力を抜いてゆっくり息を吐きます。これを10回1セットとして1日3セットするのがおススメです。他に、人と話す機会を増やしたり、腹式の発声を意識したりすることも大切です。

    

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