更年期の女性は注意! 上がる心臓病のリスク
分泌減る女性ホルモン

女性は閉経を迎える年齢に差しかかると、女性ホルモンが急激に減ります。女性ホルモンのエストロゲンには、丸みをおびた女性らしい体を作ったり、ハリのある肌を保ったりする働きがあります。女性ホルモンの分泌が減ることによって、更年期障害などを患う女性が多いのです。

女性ホルモンの大切な役割

更年期障害に関係することだけではなく、エストロゲンの減少は心臓病の発症にも関係があります。エストロゲンは血管を広げる作用やコレステロールの代謝を良くする作用など、血管や心臓を守ってくれる働きも担っているからです。閉経によってエストロゲンが減少し血管や心臓を守る効果が薄れることで、心臓病の発症リスクが急増するのです。特に、心筋梗塞や狭心症など虚血性心疾患と呼ばれる心臓病が多くなる傾向があります。

気がつきにくい心臓病

さらに、気をつけなければいけない点は、女性の心臓の異常は気がつきにくいことです。女性は狭心症などにより心臓に異常がある場合でも、みぞおちや肩といった心臓と関係なさそうな部位に痛みを感じることが多く、痛みの原因が心臓の病気にあることに気づきにくい傾向があります。また、カテーテルでも分かりにくいほどの微細な血管の血流障害や微小血管狭心症が多い点も、診断を分かりにくくする要因の1つです。

心臓以外の部位が痛む

一般的な狭心症は中高年男性に多く、動いている時に胸の痛みがあり、痛みは5~10分程度であるのに対し、微小血管狭心症は更年期女性の患者が多くなっています。胸の痛みが30分程度続き、運動時だけでなく安静時にも起こることがあります。さらに、みぞおちや肩など心臓から離れた部位に痛みが出ることもあるのです。女性は閉経を機に身体が大きく変化し、狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患と呼ばれる心臓病の発症率が増えることを自覚して、予防的な行動を心がけることが大切です。

    

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