古の知恵…昔から食べられている発酵食品
なんと!奈良時代から

日本には古くから食べ続けられている身体によい食べ物があります。その1つが発酵食品です。発酵食品の歴史を知ることで先人の知恵を知り、現代の食生活や健康に活かしましょう。日本での発酵食品の最古の記録は奈良時代にまでさかのぼり、瓜を塩漬けにして食したという記録が残っています。

海に囲まれた国だから…

記録に残っているのが奈良時代ということは、実際にはもっと古くから発酵食品が食べられていたに違いありません。平安時代になると野菜を酒粕や酢に漬けて食べていたという記録があります。日本で発酵食品が身近であった理由は、日本が海に囲まれた国だったからです。塩が身近だった日本では、食材を保存するために塩を活用してきた歴史があります。魚は生のままだとすぐ腐りますが、塩漬けにしておくことで腐らずに長持ちさせられることを経験的に学んでいたのでしょう。

江戸時代の夏には

発酵食品として昔から暑い時期に飲まれていたのが甘酒です。正月やひな祭りに飲むイメージですが、じつは暑い時期に効果的です。江戸の町では夏の風物詩として「甘酒」が俳句の夏の季語になるほどでした。江戸時代は夏の死亡率が一番高く、病人、老人、子どもをはじめ、大人でも無理が続くと暑さで体力が一気に低下し、亡くなる人が多かったのです。栄養たっぷりの甘酒は体力回復に効きめがあり、暑くても液体状で飲みやすく、栄養が吸収されやすかったのです。

甘酒の栄養

甘酒に含まれるブトウ糖は、麹菌によって分解済みのため効率よく体内にエネルギー源として吸収できます。アミノ酸、ビタミンB群、ミネラルなども豊富に含まれ、高い疲労回復効果があります。また、食物繊維やオリゴ糖も豊富に含まれ、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える働きもあり、さらに、豊富に含まれるビタミンB群によって、肌の活性化も期待されます。

    

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