しびれ症状…痛みより注意が必要な理由とは?
しびれは注意

ある決まった部位に痛みが出る場合は関節や腱の疾患が多く、さまざまな作業がしづらく生活の質が落ちますが、命の危険に及ぶことは少ないです。しかし、手にしびれが出た場合は命のリスクがあるケースもあり、初期から慎重な対応が必要です。

指以外の原因

一番の心配はしびれが脳卒中の兆候の場合です。手指だけでなく他の部位までしびれが出始め、それが片半身側にある場合は要注意です。片側の手足に力が入らなくなり頭痛が伴う場合は早急に医療機関を受診しましょう。他に、手指だけでなく足にもしびれが出る時は糖尿病合併症の可能性があります。糖尿病は毛細血管の障害が起きたり手がむくんだりするため、神経や腱の周辺に炎症が起きやすいです。そして、首を左右に倒すと手のしびれが悪化する場合は首の病気を疑いましょう。

手根管症候群

上記のような脳や糖尿病などの理由ではないことを確認し、それでもしびれが続いている場合は、手根管症候群のケースが多いでしょう。手根管とは手首の内側にあるトンネル状の空間で、手の働きにかかわる正中神経や腱が通っています。正中神経は、親指、人差し指、中指、薬指の指先まで伸びていて、親指のつけ根にある筋肉運動にも関与しています。手根管に炎症が起こると正中神経が圧迫され、親指から薬指にかけてしびれの症状が現れます。

参考:関節リウマチ

他に、関節や腱などに異常がなくても、手指にこわばりなどの異常がでるのが関節リウマチです。以前は非常に治りにくい病とされていましたが、治療の研究が進んだことと良い薬が出来てきたことから最近は治る病気となっています。20年前の寛解率は10%未満でしたが、最近は6割を超えています。寛解に至らないまでも薬で病をコントロールできるようになり、ひどい関節破壊まで進む症例はほとんどなくなっています。

    

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