ケラチンの破れ目（つまり目に見えない傷口）から侵入し、ケラチンを食べつくし皮膚を次々と浸食します。角質層は皮膚のいたるところにあり、どこに白癬菌がいてもおかしくないのですが、他の部位では角質層が１ｍｍもないのに比べ、足の裏は数ｍｍもの角質層があり、白癬菌には格好の棲み処なのです。さらに、靴や靴下を長い間履き続けると、蒸れによって皮膚が汗ばんだ状態となり、白癬菌にとって最高に居心地の良い状態になります。

白癬菌が棲みつきやすい足先は、皮膚だけでなく爪も水虫になります。爪水虫は、かゆみや痛みを伴わないため放置されがちですが、爪が厚く変形する、爪が白濁する、爪に白い粉が付着した感じになる…など、さまざまなタイプがあります。また、水虫の薬はかゆい時や水泡がある時だけ使ってもダメなのです。水虫は足の角質層の深いところに寄生しているので、表面が治ったようにみえても角質層の奥にしっかり残っています。角質層が新陳代謝で完全に生まれ変わるまで約１ヶ月かかるので、少なくとも１ヶ月間は薬をつけ続けましょう。

プール、サウナ、公衆浴場など、不特定多数が素足で出入りする所は、どこでも白癬菌がいると考えて間違いありません。さらに水虫の感染が最も多いのは家庭内です。外の施設で水虫をもらってきた家族の１人が家族全員にうつします。バスルームの足ふきマットはもちろん、フローリングの床、カーペット、スリッパ、寝具など、あらゆる場所に白癬菌が住み着くのです。

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