春は…花や緑を愛でる時間をプラスしよう
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春は花や緑が鮮やかな季節です。そうした季節に増やしたいのは、緑豊かなところに出かけたり、花を愛でたりする時間です。そうしたことが健康と関連した言葉が「森林浴」ですが、この言葉は日本発祥で海外でそのまま通じる言葉なのです。
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1990年代から森林浴がもたらす効果を検証する研究が続けられ、緑や花を愛でると人のストレスが軽減されることが分かっています。ストレスによって人は免疫力が低減して病気になりやすくなります。つまり、ストレスが減れば免疫力が改善して病気になりにくくなるわけで、森林浴が体に良いと言われる理由です。最近は研究がすすみ、わざわざ森林に行かなくとも、公園を散歩したりベランダに出て植物を眺めたりするだけで効果があると分かっています。
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花を見るとなんとなく気持ちが落ち着く、癒やされるといった感覚は多くの人が感じるでしょう。この「なんとなく感じる」のを、「なんとなく」ではなく「本当に生理的に変化がある」ことが実験で証明されています。部屋に花を置いた時と置かない時でどのような変化があったかを調べると、花がある部屋では自然とリラックスして交感神経の活動がダウンし、副交感神経の活動がアップしました。それも、交感神経の活動が25%ダウンし副交感神経の活動は29%もアップするという、かなり大きな違いが出たのです。
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他の実験では、実際に花を部屋に置くまでもなく、ディスプレイに表示された花の画像を見るだけで効果がありました。不快な画像を見て血圧が上昇した後、花や青空を見ると血圧が下がり、しかも、花は青空以上に血圧の低下が見られたのです。ストレスホルモンのコルチゾール濃度を調べるとストレスへの影響が調べられます。花の実験でもこれが試され、花画像が表示された時はコルチゾール濃度が20%以上低下し、大幅にストレスが軽減されたのです。
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