腎臓の状態をチェックしよう 「尿とむくみ」
臭い・色・量

尿を作ることが腎臓の働きなので、尿を見ると腎臓の状態を知ることができます。トイレで排尿するたびに、色や臭い、さらに量をチェックしましょう。そして1日の排尿回数を数えることも大切です。臭いはほぼなくて透明感がある淡黄色であれば良好な状態と言え、排尿回数は日中に5回が標準です。

異常があると…

一方、異常を示す事例として、尿から甘い匂いがするなら糖尿病性腎症を招く糖尿病の疑いがあり、アンモニア臭がきつければ腎機能を低下させる尿路感染症の恐れがあります。尿が泡立つときは、腎機能が落ちて蛋白尿が出ていることが考えられます。また、腎機能が下がると頻尿になることもあります。日中に10回、夜間に2回以上であれば頻尿の状態です。一方、回数が少なければ安心かと言えばそうとも言えず、慢性腎臓病がすすむと尿が十分作れなくなり、尿の量や回数が減ることもあり得ます。

すねの「むくみ」チェック

尿以外に腎臓の調子が簡単に分かるのが「むくみ」です。むくみとは、血管の外へ沁みだした体液が細胞周りに溜まっている状態です。腎臓が水分をうまく排泄できなくなると、むくみが生じやすくなります。そして、水分は重力の影響を受けるので、下半身にむくみが出やすくなります。脛骨(すねの内側の骨)の横あたりを親指で押してみましょう。10秒ほど強く押して指をパッと放した時に、ついていた指の跡がすぐに元に戻らなかったら、むくみのある状態です。

水分を控えすぎはダメ

しかし、むくむことを恐れて水分摂取を控えすぎるのは良くありません。腎機能が正常ならば、多少水を飲みすぎてもその分尿量が増えるだけで「むくみ」にはなりません。水分摂取が少なすぎると、腎臓での老廃物の排泄が効率的に進まなくなり、腎臓の重荷となります。1日1500ccを目安に、のどが渇いていなくても定期的に水分摂取を心がけましょう。

    

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