肝臓を健康にするポイント…腸肝相関にあり!
腸は…体の要

肝臓の機能低下に対して、初期にはビタミンEを摂るなど補助的ケアが一般的です。できる事があまりないと言えますが、最近の研究で分かってきたのが腸との関係、「腸肝相関」の大切さです。腸は肝臓だけでなく、腎臓や筋肉など多くの部位と相関関係にあり、腸機能の低下は全身の疲労を引き起こします。

腸が肝臓の上流

特に腸と肝臓は密接な関係にあります。体内の消化システムでは腸が肝臓の上流にあり、摂取した栄養や毒は腸で吸収されたり分解されたりしてから肝臓へまわされます。腸の働きが弱ると肝臓に負荷がかかり、肝臓の機能が低下して、体全体が疲労を感じてしまうのです。最近の研究では、腸の状態を改善して間接的に肝臓の改善を促す方が良いことが分かってきました。

腸を改善すると…

腸の機能を改善できれば脂肪肝を防ぐこともできそうです。例えばある研究によると、腸内で悪玉菌が増殖するとLPS(リポ多糖体)という毒素が生み出され、それが肝臓にまわると非アルコール性脂肪肝炎を引き起こすと明らかになっています。また、大腸内に便が長時間滞在すると、腸内細菌が便中の栄養分を分解し、脂肪として蓄えることも分かっています。腸と肝臓の「腸肝相関」は専門医の間で最近の重要テーマとなっています。

参考:筋肉は第二の肝臓

腸以外にも、肝臓に影響を与えるのが筋肉です。筋肉は第二の肝臓と呼ばれていて、肝臓と似た役割を果たしています。例えば、食後に増えた血糖を取り込んでグリコーゲンとして貯蔵できるのは肝臓と筋肉だけです。また、タンパク質に含まれる窒素は代謝過程でアンモニアに代わりますが、アンモニアは有毒なので解毒する必要があります。そのアンモニアの30%は筋肉で解毒できます。肝臓が処理しきれない解毒は、筋肉が肩代わりしてくれます。そのため、筋肉が少ない状態では肝臓の仕事を肩代わりできる量が少なくなるので、筋肉が減るのは肝臓にとって大問題なのです。

    

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