このように咳が長びいている状態になった場合は、他の病気がないことを確かめるためにも医療機関を受診しましょう。というのは、いつのまにか「せき喘息」を発症しているケースもあるからです。「せき喘息」とは慢性的に咳が続く気管支の病気で、一般的な喘息と同じように気道が狭くなり、色々な刺激に対して過敏になって炎症や咳の発作が起こるものです。

せき喘息にかかると、１か月以上も空咳（からぜき）が続きます。ただし、喘息に見られるゼイゼイヒューヒューといった喘鳴はありません。そのため、喘息であることに気がつきにくいのです。せき喘息の治療には気管支拡張薬や吸入や経口ステロイド薬を使います。風邪の後の症状と似ていますが風邪ではないため、風邪薬や抗生物質などはほとんど効果がありません。自己判断で風邪薬を飲み続けても効果がないばかりか、悪化させることになりかねないのです。

風邪やインフルエンザにかかると、気道の粘膜が炎症を起こします。その結果、わずかな刺激にも反応し気道が収縮して、せき喘息が起こりやすくなるのです。せき喘息は喘息の前段階とも言われています。せき喘息を放置すると、本格的な喘息に移行してしまうことがあります。そうなる前に正しい治療をすることがとても大切です。夜中から明け方にかけて激しい咳が出たり、寒暖差などで咳が出たりする状態が数週間続くようであれば、呼吸器科などの専門医に詳しく診てもらいましょう。

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