ノドや咳の症状なのに…呼吸器以外の疾患?!

呼吸器が原因でないケース

ノドの違和感や咳がでる場合は、ノド、気管支、肺などの呼吸器が原因だろうとたいていの人は考えるでしょう。しかし、呼吸器と関係ない器官が原因のことがあります。例えば、消化器が原因のことがあるのです。こうしたケースは原因が特定しにくいので、そのことを心にとめておきましょう。

逆流性食道炎

声がかすれる、ノドに何か詰まった感じがする、イガイガした感じがする、こうした症状が起きている場合は、食道に異常が起きている「逆流性食道炎」の可能性があります。胃には食物をためておく役割以外に、飲みこんだ食物中の細菌を胃酸で殺す役割があります。胃自体は粘液で守られているので大丈夫ですが、胃液が食道に逆流してしまうと、粘液で保護されていない食道は胃酸で溶けます。逆流を防いでいる通常の機能が何らかの理由で低下すると、胃液の逆流が起こって食道が炎症します。

食道と気管の関係

身体の中でいわゆるアゴと呼ばれる部位は食道と気管が別々ではなく、1本の管を前と後ろに区切った形になっています。気管は軟骨で形成されていますが、食道と接する部分は軟骨ではなく、そのため食道で異常が起こるとそれと接している気管にも影響が出てしまい、食道炎が原因で咳が出ることがあるのです。胃液が声帯にまで逆流すると、声枯れが起きることもあります。

何もなくても違和感

逆流性食道炎以外にも、例えば血圧を下げる薬によってしつこい咳を起こすことがあります。これは原因がはっきりしているのでまだ良いのですが、ノドの違和感があっても、実は何らの炎症も起きていないという場合もあります。ストレスなどで神経が過敏になり、あるはずのない違和感や、軽い症状を極端に強く感じたりします。ストレス以外にも疲労や寝不足などで自律神経の調子が悪くなると、こうしたノドの違和感が出やすいと考えられています。

    

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