免疫機能の最大の砦 ~鼻で呼吸しよう~
風邪をひきやすい時は

鼻呼吸でなく口呼吸になっていると感染症にかかりやすいです。朝起きた時に風邪をひく頻度が高い場合は、口呼吸になっている可能性が高いでしょう。最近では本来鼻で呼吸すべきところを、口で呼吸する人が増えています。ある調査によると日本人の半数以上が口呼吸だそうです。

呼吸器に備わっている機能

呼吸をすると必要な酸素だけでなく、病原菌など異物が体内に取り込まれます。ヒトは呼吸しなければ生きていけないので、異物を除去する働きが呼吸器には備わっています。鼻やノドの上気道を通り抜けた異物でも、気管や気管支内の粘膜に捕えられますし、その奥にある細気管支や肺胞表面にも白血球などが存在していて、細菌が侵入しても防衛反応が働く仕組みです。

鼻の大きな役割

しかし、病原菌に対する免疫機能の最も大きな役割を担っているのは鼻です。病原菌の50%以上は鼻の粘膜に吸着されています。さらに、鼻を通りぬけることによって、冷たく乾いた空気も鼻腔で暖められ湿度を含んだ状態となり、病原菌が奥に入りにくくなります。口呼吸だと空気がノドに直接入り、ノド粘膜が病原菌に無防備に晒されます。ノドにも粘膜はあれど温度や湿度の調節機能が無いので、異物を取り除く機能は鼻より低いのです。

口呼吸から鼻呼吸へ

口呼吸になっている人は鼻呼吸へ変えた方が良いですが、急には変えられないものです。口を閉じて鼻で呼吸するには、口の周りの筋肉と舌を突き出す筋肉を鍛える必要があります。それには口を動かす「あいうべ体操」がおススメです。口を大きく開き「あ~」、グッと横に開いて「い~」、唇を尖らせて「う~」、舌を前に出して「べ~」と…、「あいうべ」4つの動作を1セットとして1日30セットが目安です。それでも意識のない睡眠中の呼吸を変えるには時間がかかるので、とりあえずマスクをして、口内の湿度を高く保って寝るのがおススメです。

    

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