寝ている時間にご用心!「冬の魔の時間帯」
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冬になると呼吸器に不調が起こりやすくなります。風邪やインフルエンザなどのウイルスは低温と乾燥の環境下では急激に増殖するからです。暖房が普及した現代でも冬に風邪などの感染症が多くなるのは、寒さのせいよりも空気の乾燥が原因のことが多いと考えられています。
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ノドは粘膜に覆われていて、空気中の雑菌やウイルスが体内に侵入するのを防いでいます。ところが、乾燥して粘膜を覆う粘液が固まってしまうと、その働きが悪くなってウイルスを除去する機能が低下します。ノドだけではなく、その奥にある肺に悪影響を与える懸念もあります。肺も冬に乾燥しやすく炎症を起こしやすい、つまり肺炎を起こしやすい状態にあります。
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ノドは食べ物や水分の通り道であると同時に、呼吸する酸素の通り道です。ノドは空気に含まれるウイルスや細菌に常に晒されていて、病原体にかなり感染しやすい部位です。特に注意したいのが寝ている時です。風邪をひかないように日頃から気をつけていても、朝に目が覚めた時にノドがイガイガして…という経験はありませんか?
病気への抵抗力をつけるために睡眠は欠かせないものですが、実は睡眠中はウイルスへの抵抗力が一番弱まる時間帯です。
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これには自律神経の働きが関係しています。自律神経には活動時に優位になる交感神経と、リラックス時に優位になる副交感神経の2種類があって、睡眠中は副交感神経が主として働きます。その場合、身体の各器官の働きが緩慢になり、唾液の分泌や唾液を呑み込む動きが少なくなってノドがかなり乾燥します。異物を排出する繊毛の働きが鈍ってウイルスが侵入しやすい環境の上、睡眠時で体温も下がっているため、ウイルスにとっては体内に入り込む絶好のチャンスなのです。風邪をひくリスクを減らすには、「部屋の湿度を適度に保つ」「夜中に目覚めた時水分を少しとる」など対策をしましょう。
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