フレイル予防3本柱 ―身体・栄養・社会―
「プレフレイル」

高齢者が要介護状態になるのを遅らせ、健康寿命を延ばすためには、フレイル状態が軽いうちにケアすることが大切です。いわゆる「プレフレイル」時期に早く気づいて対策することが重要なのです。自分の状態と向き合い、予防に取り組むことでフレイルの進行を緩やかにしたり、健康な状態に戻せたりします。

予防の3本柱

フレイルを予防するには、適度な「身体活動」、「栄養バランス」の取れた食生活、「社会活動への参加」が3本の柱となります。ちょっとした身体活動でも継続することで死亡リスクを下げられ、筋力低下を防ぐことで転倒や骨折による寝たきりリスクを軽減させます。栄養については、バランスよく食べることが大切ですが、特に、筋肉の素となる魚、肉、卵、大豆製品、骨を強くする牛乳や乳製品を多く摂りましょう。よく噛むことも大切です。

ドミノ倒しにならないように

就労や余暇活動、ボランティアなどに取り組む「社会参加」も当然大切です。フレイル予防は身体活動と栄養と社会参加の三位一体です。「社会活動への参加」頻度の低下が、フレイルの入口になりやすいと言われますが、フレイルの入口は人それぞれ違います。1つの入口(フレイル状態となること)からドミノ倒しにならないように早めの予防に努めましょう。

介護サービスにもフレイル概念

自治体では介護サービスにおいて、徐々にフレイル予防が考慮されています。従来はヘルパー導入や入浴介助といった、いわゆる世話型の介護がサービス当初から提案されることが多かったのですが、いったん介助を受けると筋力が低下して、ますます体が動かなくなるケースが少なくありませんでした。効果的なフレイル予防という観点からは、本人が自立した生活ができるというセルフケアの視点が重要で、まずは体力向上を図り、なるべく自立を支援する方向へケアマネジメントされるようになっています。

    

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