最も体を弱らせるのは…社会との隔絶?!
コロナによって

これまで高齢者の介護予防策として、主に行われてきたのは運動です。しかし最近の研究や調査によって、社会との繋がりを失うことの方が、高齢者の不健康の入口となりやすいことが分かってきました。これを顕在化させたのがコロナで、コロナフレイルという言葉が関係者で使われているほどです。

社会との繋がりと失うと…

コロナで趣味や地域での活動が制限されて外出の機会が激減し、自宅に閉じこもりがちになってフレイルが進行するという悪循環が多くの高齢者に生じています。高齢者の生活機能や心身機能を考える上で、社会とのつながりという要素は、他のものより高次に位置づけられるかもしれないと考えられています。社会とのつながりを失うことが、身体的及び認知的精神的フレイルの入口となりえるのです。

フレイルドミノ

社会とのつながりを失うことによって生活範囲が狭まると、心が少しずつ脆くなってきます。元気が失われていくと食欲が減っていって、あまり食がすすまなくなります。そのことで栄養がしっかり摂れなくなると体が弱っていく、という悪循環に陥りやすいのです。このように社会性の低下から始まる負の連鎖をフレイルドミノと表現されることがあります。実際に、一人暮らし、外出頻度が少ない、他者との会話が制限されている、という状況の高齢者は、身体的フレイルの発生リスクが4倍になるとの結果が出ています。

運動より人とのつながり

ある調査で、運動のみ行っている高齢者と、運動していないけれども趣味や地域の活動など社会的活動をしている高齢者のフレイルリスクを比べた結果が出ています。運動だけより、体は動かしていなくても社会活動している人たちの方が、フレイルに陥るリスクが3分の1となるそうです。意識して運動していなくても、趣味や地域の活動を通して、結果的に歩く距離が増えたり身体活動が多くなったりするからと推測されます。

    

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