認知症にも関係している 「オーラルフレイル」

オーラルのフレイル

オーラルフレイルは「オーラル(口腔)」とフレイルを組み合わせた造語です。歯周病やだ液分泌量低下など悪条件が重なることで口腔内の機能が低下して、今までのような食事ができなくなるなど衰えがみられる現象を指します。一度オーラルフレイルが始まると負のスパイラルに陥り、近い将来介護が必要になるほど悪化します。

負のスパイラル

噛む力が衰えてくると、硬い食べ物を咀嚼することが難しくなります。すると、食べるものが噛みやすく軟らかいものへ変わり、ますます口腔内の筋力は衰えます。噛むことによってだ液が分泌されますが、だ液には消化を助けてくれる作用があるため、よく噛まないまま飲み込むと消化不良で胃腸への負担も大きくなります。こうして食べることが億劫になると、やがて食欲もなくなり、だ液の分泌量も減っていきます。口腔内の雑菌繁殖を防ぐだ液が減少すると歯周病を発症し、やがて歯が欠損するなど、負のスパイラルに陥ります。

認知症との関係

口腔機能の低下は認知症とも密接に関係しています。咀嚼機能が弱まると口腔内の健康が阻害されますが、同時に、噛む機会が減ることで脳への刺激が少なくなって脳の血流量は減少します。また、咀嚼機能の低下により食べられる食品が限られることで、健康でいるために必要な栄養素が脳へ吸収されず、認知機能が衰えていくことも考えられます。

歯みがきと定期健診をしっかりと

歯みがきが予防の基本で、毎食後1日3回、最低でも就寝前1回の歯みがきを習慣づけましょう。また、歯周病や虫歯などを患うと完治までに時間がかかり、その間に栄養がきちんと摂れなくなりがちです。定期的に歯科を受診し、歯や歯茎の不良の早期発見に努めましょう。さらに、滑舌を鍛えること、例えば、口を大きく開けて「パ行(パピプペポ)」「タ行(タチツテト)」「カ行(カキクケコ)」、この3行を大きく発音するなどが効果的です。

    

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