なったらダメ! 「サルコペニア」と「ロコモ」
健康寿命を阻害する

健康寿命を阻害する主だった理由のうち、「骨折や転倒」と「関節疾患」は原因の4位と5位です。しかし、この2つは両方とも運動機能の低下から起こるものであり、この2つを合わせると、一番多い原因である認知症よりも多くなります。

筋肉量の減少「サルコペニア」

健康寿命を長く保つために身体機能の維持は大切です。ですから、健康増進月間の標語にも、「1に運動」と一番始めに運動について強調されているのです。健康寿命のための身体機能に関連することとして、覚えておくとよい言葉が「サルコペニア」と「ロコモ」です。「サルコペニア」とは、加齢にともなって筋肉が減少し身体機能が低下した状態をいいます。筋肉量の低下にともなって歩く速度が低下し、転倒による骨折リスクが高まります。

太ももを親指と人差し指で囲む

握力や歩く速度が一定基準以下で、筋肉量が基準より減少している状態だとサルコペニアと診断されます。ちなみに、筋肉量は自分の指を使ってある程度は推測できます。両手の親指と人差し指で輪を作ってふくらはぎの最も太い部分を囲んでみましょう。すき間ができるようなら筋肉量が少ない状態で、サルコペニアであることが心配されます。

運動機能の低下「ロコモ」

筋肉量減少を指すサルコペニアより、広義の運動機能に関連する言葉が「ロコモ」で、「骨格筋,骨,関節などの運動器の機能低下によって、立つことや歩くことなどの移動機能が低下した状態」と定義されます。直接的な筋量の減少以外に、骨粗しょう症、骨折、関節疾患、関節痛などを患うと、筋力やバランス力が低下します。その結果、立つ、歩くなどの移動能力が低下するわけです。前述のとおりサルコペニアは筋量の減少を表します。つまりサルコペニアはロコモの原因の1つと言えます。また、ロコモの対象は高齢者だけでなく若年成人も含みますから、若年層でも注意が必要なのです。

    

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