健康寿命が尽きる一歩手前! −フレイル−

フレイル=壊れやすい

健康寿命を損なう理由として一番知っておきたいのは「フレイル」です。もともと「か弱さ」や「こわれやすさ」を意味する言葉で、フレイル高齢者とは「こわれやすい高齢者」、すなわち健康寿命を失いやすい高齢者を表すのです。

予備能が低下した状態

健康関連用語としての「フレイル」は、「高齢期に生理的予備能が低下することで、ストレスに対する脆弱性が増し、生活機能障害、要介護状態、死亡などに陥りやすい状態」を指します。『予備能』とは余裕があるということです。私たちはふだん全力で生活しているわけではありません。余裕を持って動いているので、多少のケガや体調の悪い時があっても,普段のペースを崩さずに生活できています。これが「予備能がある」状態です。

健康的にぎりぎりの状態

フレイルではこの予備能が無く、常にギリギリの状態で生活しているので、一見普通に生活しているように見えても、何かストレスが加わった時に耐えられずに一気に崩れそうな状態を指すのです。フレイルとは高齢者の状態を多方面からとらえるもので、筋力低下などの「身体的側面」だけでなく、「精神や心理的側面」と「社会的側面」を含めた3つの面から判断される概念です。

フレイルは生活全般に関係

身体的フレイルは単なる運動機能低下だけでなく、低栄養など食事に関する事や、口腔機能低下など嚥下に関する事まで含めた、身体の機能障害を幅広くとらえる言葉です。サルコペニアやロコモとの関係性を言えば、身体的フレイルの原因の1つにロコモがあり,さらにその原因の1つがサルコペニアということになります。精神的心理的フレイルは、認知症やうつ病など精神状態が日常生活の動作低下につながる状態を指します。社会的フレイルは、独居や閉じこもりなど、活動量が制限される社会的問題を抱えている状態を指します。

    

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