花粉症と思い込みがち・・・「寒暖差」と「虫歯」?
寒暖差アレルギー

この時期に鼻水が出ると、花粉症ではない人も「花粉症かな?」と思いがちですが…それは早合点かもしれません。この時期に見受けられるアレルギーで、「寒暖差アレルギー」と呼ばれるものがあります。短い時間の急激な温度変化によって鼻炎が起き、透明な鼻水が出るという症状です。

自律神経が対応できず

気温の変化に伴って自律神経が影響を受け、鼻の細い血管が収縮したり拡張したりすることで、鼻の粘膜にダメージを及ぼします。自律神経は体温調節の役目があり、寒い時には血管を縮めて体温を逃がさないようにし、逆に暑い時は血管を広げて、温度差に体を適応させる役割を担っています。しかし、スムーズに適応できる範囲は寒暖差が7度までと言われており、それ以上になるとしっかりと対応できず、体に不調が現れるのです。

虫歯が原因?

他に、花粉症と似た症状が出ているにも関わらず、鼻とまったく関係がない疾患の場合もあります。しかも、内科ではなく歯科に行かないと分からないものもあるのです。虫歯が進行すると、歯の内部に細菌が入り込んでいきます。歯根にまで入り込んで、さらに奥まで侵入すると、ついには歯根の外に出てしまいます。上の奥歯の上部には上顎洞と呼ばれる鼻にもつながる骨の空洞があります。ここに歯根から外に出た虫歯の細菌が入って、炎症が広がると鼻に不調症状が出るケースがあります。

耳鼻科では気づきにくい

虫歯なので歯に痛みや腫れがでる場合もありますが、膿のような鼻水が出たり、鼻詰まりが起きたりという、鼻の不調だけの場合もあります。耳鼻科と歯科では大きく診療科が異なることもあり、症状として出ている鼻の不調を診て、もとの原因が虫歯であるとは気づきにくいのです。耳鼻科で鼻症状への対処療法をし続けていても、症状は良くならないのです。ふだんから歯科検診などを受けて、虫歯を悪化させないことが大切です。

    

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