大量飛散で症状悪化したら ―減感作療法―

今年は飛散量が多い

今春の花粉飛散量は過去10年で最高になると予測されています。花粉症の時期には苦しい思いをしても、それを過ぎてしまうと鼻を意識しなくなりがちです。症状がひどい人こそ、花粉症が終わる時期に来年以降を見据えることが必要です。「減感作療法」について知っておきましょう。

7〜8割の人に効果

減感作療法とは、アレルギー原因となる物質のエキスをわずかな量から、徐々に量を増加させていく治療法です。身体をアレルギー物質に少しずつ慣れさせることで過剰な免疫反応を弱めて、症状を起こりにくくするのです。薬物療法が対処療法であるのに対して、減感作療法は体質改善をして根本的に治そうとするものです。減感作療法によって7〜8割の患者が花粉症の症状改善を自覚して、抗アレルギー薬などの薬を減量もしくは中止できています。

花粉症が治まった頃に

治療を開始してから数ヶ月の期間は週1回のペースで、徐々に増量していきます。そして一定の注射回数で副作用が無かった場合は、徐々に2週に1回、4週に1回と間隔を空けていきます。早い人は開始してから数ヶ月で治療効果が現れ始めるようです。アレルギーの強い時期は始められないので、花粉症の症状が治まった後あたりが、この治療を始めるのに一番適した時期です。

舌下治療もあり

「毎週のように通院する時間は取れない」という人にオススメは「舌下免疫療法」です。初回の投与は医療機関で実施しますが、強い副作用が出ないようであれば、自宅での錠剤服用が可能になるので、医療機関に出向く回数は少なくてすみます。ただし、アレルギーの対象が限られる、治療期間が3年くらいかかるなど、さまざまな制約もあります。この治療を始められるのは6月〜11月の間となります。今年の花粉の大量飛散によっていつも以上にアレルギー症状がひどかった人は、根本治療を考える良い機会かもしれません。

    

マガジン表紙へ