口腔アレルギーをひき起こすリスクに注意!
2つのアレルギーは関連

花粉症と食物アレルギーはいわばアレルギーの二大巨頭ですが、この2つは関連している場合があります。花粉症が発症する仕組みが関係しているのです。花粉という異物(アレルゲン)が侵入して、身体がそれを排除すると判断した場合は、これに反応する「IgE抗体」という物質をつくります。

アレルゲンが似ている

抗体ができた後に再び花粉が体内に入ると、鼻や目の粘膜にある抗体と結合し、ヒスタミンなどが分泌されて、花粉をできるかぎり体外に放り出そうとするのです。特定の果物や野菜に含まれるアレルゲンの構造は、花粉アレルゲンと構造がよく似ています。そのため、特定の果物や野菜を食べると体は花粉が侵入してきたと勘違いして、すでに体で作られている「IgE抗体」と反応してアレルギー症状を起こすのです。

口腔アレルギー症候群

こうした食物アレルギーは通常の食物アレルギーと区別をして、口腔アレルギー症候群と呼ばれます。その原因となるのは主に果物か野菜ですが、消化酵素に弱く、胃や小腸といった消化器で分解されるため、口やノドの直接接触した部位だけで反応が起こります。原因食物を口にしてから15分以内に、くちびる、口腔内、ノドにかゆみやイガイガを感じることがよくある症状です。ノドの腫れや閉塞感を感じることもあります。

アレルゲン:具体例

花粉の種類によって、口腔アレルギー症候群を引き起こす果物や野菜は、それぞれ異なります。
 スギ・ヒノキ  トマト
 イネ科     トマト・じゃがいも・メロン・スイカ・キウイ
 ブタクサ    キュウリ・ズッキーニ・メロン・スイカ・バナナ
 ヨモギ     スパイス・セロリ・ニンジン・マンゴー
 シラカバ    豆乳・豆腐・もやし・リンゴ・モモ・サクランボ

    

マガジン表紙へ