スゴいのは腸だけじゃない! ―手は第2の脳―
すでに18世紀から

「第2の脳」と言われて最近注目されているのが「腸」です。しかし昔から「第2の脳」と言われているのは「手」です。18世紀の哲学者カントが「手は外部に出た脳」と述べたほどなのです。また、利き手によって脳の発達が違いやすいことも昔から知られています。

右手と左手を両方使う

左脳は言語や情報をつかさどり論理的な思考機能を持つのに対し、右脳はモノの形や色、音などの違いを認識し、五感に密接に関わっています。脳は使っている部位から刺激を受けて変化します。使っている「手」に気を配りながら手や指を使うことで、脳はその情報をキャッチして活性化します。右利きの人は意識的に左手を使い、左利きの人は意識的に右手を使うことによって、右脳と左脳のそれぞれの効果を最大限に高められると考えられます。

指を効果的に動かす

私たちの両手は全身の表面積に対してわずか10分の1ほどの大きさですが、大脳領域の3分の1が両手と指をコントロールするために使われています。それほど多くの脳の部位が、手と指先に指令を出すために働いているのです。手や指を動かした後には、脳の血流量が10%以上も上がったという研究もあります。こうしたことから最近では、指を効果的に動かすことで認知症の予防や運動機能向上に役立てようとする活動が広まっています。

指体操

道具などを用意しなくても手軽にできる指体操がオススメです。色々な指体操がありますが、その1つ「指回し体操」をまずは試してみましょう。まず、両方の手の指先同士を合わせます。そして、同じ指先だけ(親指なら親指だけ)を1つずつ回します。親指から小指まで順番に行ないます。特に薬指は難しいですが、回している指が他の指に当たらないように気をつけることで、脳の活性化や運動機能の改善が期待できます。

    

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