腸は「第2の脳」・・・分かってきた腸のスゴさ
腸の4つの機能

腸は長らく、消化、吸収、排泄の3つの役割だけと考えられてきました。しかし、4つめの役割として免疫機能が広く知られるようになり、今では、免疫細胞の約70%が腸に集まっていて免疫機能を上げるには腸活が大切と言われています。

最近分かってきた重要な働き

最近もう1つ重要な働きがあることが分かりました。それが「腸と脳の相関関係」です。腸の神経細胞の数は1億以上あり、脊髄や末梢神経系より多い上に、腸と脳は約2千本の神経線維でつながっています。そのため、腸は脳から独立した状態で自らの判断で機能し、脳からの信号を待つことなく、消化・吸収・排泄などを行なえているのです。

神経伝達物質を生成

腸には太くて大きな神経が埋め込まれていて、腸から脳へと情報を運んでいます。ドーパミン(快感ホルモン)、ノルアドレナリン(ストレスホルモン)、セロトニン(幸せホルモン)は、感情を支配する代表的な脳内神経伝達物質ですが、その多くは腸で作られます。特に、体内のセロトニンの90%は腸に存在しています。セロトニンが増えれば幸せな気持ちになるのですが、一方で、うつ病の人は脳内のセロトニンが少ないといわれています。セロトニンを増やすために深く関わっているのは腸内細菌なのです。

体はまず腸から作られる

私たちの身体は、受精卵の外側が凹んで「腸」が形成され、腸がのびて「口」と「肛門」ができ、さらに栄養をためる「肝臓」ができ、酸素をためる「肺」ができ、そして「脳」ができます。生き物の進化においても、まず腸ができてから脳などの神経系ができるのです。「腹が立つ」「太っ腹」「腹をくくる」など、昔から心(脳)と腹(腸)を結びつける言葉が使われてきたのは、人々が経験的に分かっていたからかもしれません。

    

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