休みには「ぼーっと」しよう ―脳疲労の回復―
脳疲労とは

PCやスマホを仕事で多用することによって避けられないものがあります。それが脳疲労、つまり、脳の処理能力が落ちた状態です。脳疲労というと、脳全体を酷使して疲れている状態と思われがちですが、実はそうではありません。脳の一部分のみが疲労しているのです。

ワーキングメモリだけ酷使

脳の司令塔的な存在である前頭前野(ぜんとうぜんや)で情報を処理する場合、脳の役割は3つに分担されます。記憶を一時保管するワーキングメモリを行なう部分、指令本部のような熟考をする部分、ボーッとしている時に働く部分です。デジタル機器による脳疲労は、ワーキングメモリを行なう部分だけが酷使され、その他の部分は使われずにさびついていく状態です。

何かをしている時は…

脳を元気にするために良い方法は「ぼーっとする」ことです。頭を使っていると自覚している時よりも、「ぼーっとしている」状態のほうが脳は多くのエネルギーを使っていて、最も働いているのです。これには脳の血流が大きく関係しています。脳の血流は何かをしている時も何もしていない時も、その総量は同じです。何かをしている時は「何か」をするための部位に血流が多く流れます。反面、一部に血流が集中する事で、脳内の他の部位の動きは鈍くなります。

「ぼーっとする」と…

「ぼーっとしている」時には、何かをしている時に使われていなかった部位にもエネルギーが行き届きます。そのため、それまで浮かんでこなかったような良い考えが浮かんできたりします。「ぼーっとする」ことで、使っていない脳の部位を元気にできるのです。意識してその状態をつくろうとするのが、いわゆる瞑想なのです。ただし、普通の人はなかなか無心状態を作ることは難しいでしょう。そういう人には、何もしない状態をあえて作る、例えば、お茶をゆっくりと煎れるなど試してみましょう。

    

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