痩せていても注意・・・かくれ「肥満」と「高血糖」
問題は脂肪の割合

見た目は痩せていても実は肥満という人がいます。身体全体を占める脂肪の割合が肥満の人と同じくらい多い、つまり、筋肉や骨と比べて脂肪が多いという体脂肪率が高い状態なのです。これを「かくれ肥満」とも言います。

BMIは身長と体重の値のみ

肥満基準として使われるBMIの数値が標準内でも安心はできません。BMIは身長に対する理想的な体重のみを基準にしているからです。身体の筋肉に対して脂肪が多いか少ないかはBMI値では判断できないのです。かくれ肥満の主な原因は、運動不足になりがちなライフスタイルや偏った食生活です。座り仕事の時間が長い、睡眠時間が不足している、夜更かしをしながら夜食をとる、といった生活習慣がかくれ肥満の原因となっています。

かくれ糖尿病

このような「かくれ肥満」を呼び込むのが「かくれ糖尿病」です。糖尿病はインスリンが十分に働かず、血流内の血糖が増える病気です。糖尿病に関係する数値は、健康診断のチェック項目に入っています。しかし、「空腹時血糖値」はチェック項目ですが、「食後血糖値」の検査はありません。食後の血糖値が通常の人よりも高い「食後高血糖」であるのに、空腹時血糖値に問題がない場合には糖尿病が発見しにくいのです。これが「かくれ糖尿病」です。そのため、気づかないうちに糖尿病が進行してしまう恐れがあります。

若くても痩せていても注意

食後は血糖値が上昇しますが、インスリンの働きにより時間がたつと元の数値に戻ります。しかし食後高血糖の人は、時間がたっても血糖値を下げる働きが弱く、その状態が長い時間続いてしまいます。痩せた女性で筋肉量が低下していたり、筋肉に脂肪が蓄積していたりする場合、血糖値が高い傾向となります。健康診断の数値や体型には問題がないのに、糖尿病が進行することがあるのです。

    

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