嫌われものの「汗」・・・実は美肌に欠かせない
体温調節に役立つけど・・・

「汗をかくのは嫌」と感じている人は多いでしょう。理由として、汗のべたつき、臭い、かゆみなどが挙げられます。熱中症予防として汗をかいた方が良いなど、体温調整の役割は知られるようになっています。しかし、汗のメリットはそれぐらいだけと思われているようです。

美肌に不可欠

じつは汗は美肌に導くための重要な役割も果たしています。汗をかくことは、肌の潤い、保湿のために必要なのです。汗には「尿素」「乳酸」「乳酸ナトリウム」「乳酸カリウム」など保湿成分がたくさん入っています。そして、これらの成分は水とくっつきやすい性質をもっているため、皮膚表面、角層、空気中の水分と結びつき、いわば「水のバリア」を作っています。その働きによって肌を乾燥から守ってくれるのです。

除菌や臭い対策にも

保湿以外にも、汗に含まれる抗菌力のある成分による除菌効果や、皮膚表面の臭いを汗と共に洗い流すことによる臭い対策に、汗は役立っています。もともと汗自体に臭いの素となる物質はほとんど含まれていません。時間が経つにつれ汗に皮脂などが混じり合うことで発生する細菌に、臭いの原因があります。細菌が汗を分解することによって、酸っぱいような、いわゆる汗臭い感じになるのです。

こすって拭くのはNG

汗をかいた時に、乾いたタオルでゴシゴシ拭きたくなりますが、じつはそれは大間違いです。それをすると、汗が皮膚表面で蒸発して体温を下げる働きが阻害されて、体温が下がりにくくなり、体温が下がらなければ再び汗をかいてしまいます。したたり落ちる汗だけを軽くふき、皮膚表面は汗で軽くしっとりさせておくのがベストです。ちなみに、汗の臭いは水溶性なので、湿ったタオルでぬぐうと臭いの原因を効果的に取ることができます。

    

マガジン表紙へ