乾物の仲間・・・「干物」が美味しい理由とは?
乾物の仲間

乾物より水分が残った状態ですが、干物は魚などの魚介類の身を干した乾燥食品の一種です。魚はそのまま放置しておくと、食物の水分に微生物が増えて腐ってしまいます。干物は天日干しなどの製法により、水分が抜けて表面に膜が生まれることから保存性を高めています。

うま味が増える

干物にすることで、そのまま魚を煮たり焼いたりするものとは違う、独特の食感やうま味が生まれます。その理由は、水分が抜けて凝縮されることと、たんぱく質が分解されてうま味が形成されるからです。干すことでうま味成分の1つであるイノシン酸が増して、それによって美味しくなるのです。冷蔵技術が発達した現在でも、生魚を調理するものとは違った味や食感を楽しめることから、その味が愛され続け、食べ続けられているのです。

気をつけたい点

干物は生魚に比べて、低脂肪、低カロリーの良質なたんぱく質が摂れ、DHA、EPA、カルシウム、タウリン、コラーゲン、ビタミンAが豊富となっています。ただし気をつけたい点もあります。それが塩分です。例えば、アジの干物は1〜3gほどの塩分量です。他の食べ物にも塩分が含まれているので、1日2食以上食べてしまうと塩分の摂り過ぎになるでしょう。

他と比べて・・・多くはない

しかし実は一般的な焼き魚、例えば鮭の塩焼きなどと比べると、干物は塩分が少ないのです。鮭の塩焼きは2〜5gの塩分が使われていますが、アジの干物は1〜3gの塩分量です。また、生魚を使ったとしても調理過程で多くの調味料を使うと、結果的に塩分を大量に摂ることになります。干物はすでに味が付いているので余分な味つけをしなくて済みます。干物と聞くと塩分が多そうなイメージがわきますが、実際はそれほどでもないのです。

    

マガジン表紙へ