たくさんある?! 背中痛と関係する内臓疾患
背中側にもある臓器

臓器は体内で大まかに2か所に分かれています。1つめがお腹の中にある『腹腔』で、胃や肝臓、大腸などの臓器が収まっています。2つめがその腹腔の後ろ、つまり背中側にある『後腹膜(こうふくまく)』というスペースで、十二指腸や腎臓、すい臓などが入っています。ここにある臓器に異常がある場合に背中に痛みが出ます。

腎臓とすい臓に注意

背中の下部に出る痛みは、腎臓やすい臓の病気に関連しているケースが多いです。その代表的な疾患は腰の上に激痛を感じる「尿管結石」です。腎臓と膀胱をつなぐ尿管の途中で尿が結晶化して固まることで起きる病気です。また、腎臓内の尿をためる部分である腎盂(じんう)が炎症を起こす「腎盂腎炎」も、腰の上に強い痛みが出ます。さらに、すい臓は胃の裏側にあるので、急性すい炎を発症すると背中の真ん中あたりに鈍痛が起こります。

女性特有の器官にも注意

女性が背中の下部から腰にかけての痛みを感じる時は、子宮の病気に関係している可能性があります。子宮の半分はお腹の外にあって、腰近くに位置していて下腹部だけでなく腰まわりに痛みがおよびます。特に子宮内膜症は、ひどい月経痛に加えて腰痛を感じる人が多いです。悪化すると卵巣ガンのリスクも高まるので早めに対処したい病です。他に、子宮筋腫、子宮ガン、卵巣ガン、卵巣膿腫など多くの疾患が考えられます。

心臓や食道も?!

内臓系の疾患は下腹部の裏側にあたる腰あたりの痛みだけを気にすれば良いと思いがちですが、じつは背中上部の痛みにも注意が必要です。背中の中心から肩にかけて広がる痛みは、背中とは全く関係がなさそうな心臓疾患の危険が潜んでいます。さらに、背中の上部が痛む時は、逆流性食道炎や食道ガンなど食道に関連する病が隠れていることもあります。

    

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