災害時だからこそ…塩分には注意!
保存食は塩分が多い

備蓄食料を考える上で、とくに気をつけたいのが食品の塩分含有量です。おにぎり、カップラーメン、缶詰などの非常食は塩分が多い傾向にあります。梅干しおにぎりだと2g、カップラーメンでは5gにもなります。高血圧の人の食塩摂取の目標値は6g未満とされているので、すぐに基準を超えるほどです。

災害後は高血圧になりやすい

災害は健康に対する大きなリスクですが、特にリスクに注意したいのが血圧です。過去の調査では、血圧に異常が無かった人も避難所で高血圧になっていた事例が多く見受けられました。上の血圧が20上がるごとに心臓血管系の疾患リスクは2倍となりますが、阪神淡路大震災では1〜2週間後に上の血圧(収縮期血圧)が平均で18ほど上がっていたという結果が出ています。大きな震災後には高血圧が引き金となる病気、心臓病や脳卒中が急増することも分かっています。

ストレスと生活リズムの乱れ

高血圧が悪化する要因は、精神的ストレスや生活リズムの乱れと考えられています。大きな余震が何回も続くことや、もっと大きな余震が来るかも…という恐怖がストレスの原因になります。睡眠も乱れて生活リズムも崩れやすくなるのです。こうした状態では交感神経の働きが強くなりすぎて、体から塩分を排出する機能が低下します。すると血液中の塩分が増え、血圧が大幅に上がりやすくなります。

減塩の工夫

さらに避難生活での脱水症状なども重なると、血液が固まりやすく、血栓ができやすくなります。このようなストレスや環境の変化によって、ふだんは高血圧でない人も高血圧になりやすくなります。カップ麺など塩分が多い食品を食べざるを得ない場合でも、塩分を多く含むスープなどを残すことで、塩分摂取をおさえることは可能です。ふだん高血圧でない人も減塩を心がけることが大切です。

    

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