パーキンソン病にも心疾患にも 「音楽療法」
今注目の…

音楽の持つ特性を活用して、治療に活かそうというのが音楽療法です。音楽療法はあくまでも薬物療法の補助的な意味合いで用いられていますが、さまざまな病気に対して色々な成果を上げています。今注目されているのは、パーキンソン病への音楽療法です。

パーキンソン病の症状が改善

パーキンソン病の症状改善に向け、音楽に合わせて手足を動かしたり歌ったりする療法が取り入れられています。パーキンソン病では、リズムを感じてさまざまな動作をつなげる脳の機能に障害がみられることがあり、足がすくむ、転倒しやすくなるなどの症状があります。そのような患者に対して、リズムのある音を刺激にして、自分でリズムを取って動けるように訓練する療法があるのです。これにより、歩幅が広くなって歩きやすくなる効果が期待できます。

認知症や心疾患にも

音楽療法はパーキンソン病だけでなく、認知症の症状緩和や改善にも有効とみられています。音楽は情動に働きかけ、興奮を静める効果があり、認知症の症状の一環として起こりうる暴力や抑うつなどを改善することが期待されます。また、心臓疾患の手術を受ける人へ手術の前後に音楽療法を施すと、術後の不安や痛みが軽減するといった研究報告もあります。

音楽で味が変わる?

聴覚はとても不思議な感覚で、いまだに分かっていないことも多いのです。例えば、周囲の音によって味の感じ方が違ってくる可能性なども指摘されています。同じ味の飴を4つ渡されて、そのうち2つを食べている時は金管楽器による厳粛で調子の低い音楽を聞かせ、残りの2つを食べている時はピアノによる高い調子の音楽を聞かせたところ、調子の低い音楽を聞きながら食べた飴の方がより苦く感じるという結果が出ました。

    

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