「音楽を聴くだけで免疫力が上がる」って本当?
ある実験

音楽を聴くことによって免疫力が上がる可能性が指摘されています。それを調べた実験では、4千ヘルツ以上の高い周波数の音を多く含む、明るくシンプルな短い旋律の繰り返しが多い、心地よい和音が多用されているといった3つの特徴をもつ曲が選ばれました。

体温が上がる

曲のジャンルは、ジャズ、クラシック、ヒーリング、J―POPインストルメンタル(歌なしの器楽曲)の4種類で試されました。その結果として、音楽の種類に関係なく、音楽を聴いた後に体温が上がったことが確認されました。音楽を聴くことによって副交感神経が刺激され、血管が拡張して血流が良くなり、身体の深部の温かな血液が末端まで早く流れたと考えられます。さらに、体温が上昇するとリンパ球などの免疫細胞の機能も高まるので、免疫力が上がることが推測されます。

IgAが増加

唾液を採取して成分を分析したところ、IgAが増加したことが確認されました。IgAは抗体の一種で、眼・鼻・喉や消化管などの外界と接する粘膜組織で分泌されています。分泌型IgAは粘膜表面で病原体や毒素に結合し、それらの機能を無効化することによって、私たちの身体を守っています。分泌型IgAが増えたということは、口腔内及び体表面の免疫が高まっている証拠なのです。

自覚症状でも

被験者へのアンケートで、音楽を聴く前と後では、抑うつや不安などネガティヴな気分が低減されたり、ゆったりした快い気分が上昇したりといったことも確認されました。また、目の疲れや肩こりなどの身体的不調の緩和も自覚した人が多かったのです。

    

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